世界遺産・「知床」U

目 次
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知床(1) 「はじめに」

知床(2) 「流氷について」
知床(3) 「世界遺産について」
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知床(4) 知床の玄関「斜里」
知床(5) 「ウトロ温泉」
知床(6) 「知床五胡」
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知床(7) 「五胡とヒグマ」
知床(8) 「知床五湖」(3)
知床(9) 「カムイワッカの湯」
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知床(10) 「カムイワッカの湯」(2)
知床(11) 「カムイワッカの湯」(3)
知床(12) 「カムイワッカの湯」(4)
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知床(13) 横断道路「知床峠」
知床(14) 「知床八景」
知床(15) 羅臼「露天・熊の湯」
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知床(16) 羅臼「知床旅情」
知床(17) 羅臼「羅臼八景」


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 世界遺産・知床(4) 知床の玄関「斜里」



半島付根付近に聳える斜里岳


知床半島の西の玄関口「斜里町」へ入った・・、

知床半島が眼前に迫る海岸線より、やや陸地に入ったところに釧網本線の「知床斜里駅」がある。
元々、斜里駅だったのが、1998年4月11日にから知床斜里駅に改称したそうである。 その名のとおり,知床への玄関口となる駅であるが、斜里町は知床半島の西側半分が行政区としての地域を占めていることはあまり知られていない・・?。 知床観光のメッカと言われるウトロ温泉、知床五胡、カムイワッカなどは、この斜里町に含まれているのであり、つまり、知床のいいとこ取りをしているのである。 駅前の斜里バスターミナルからは、知床に向って定期バス(知床線)や,定期観光バス(知床ロマンふれあい号)などが発着している。

先般訪れたが、知床斜里駅の東方海岸よりに「斜里町立知床博物館」がある。
この博物館も北海道、オホーツク海特有の文化や歴史、自然を展示しているが、特に秘境と言われる知床半島の自然情報、動物・植物の様子、流氷や半島の自然を展示、説明しているのが特長であろう。 
2005年(平成17年)7月に、知床は「世界遺産」の登録物件として、7月17日正式に承認登録されたが、これによって観光客の賑わいも一段と増加するだろうし、知床斜里駅や知床博物館の価値が一層高まることは確実であろう。


網走から知床方面に伸びる国道は実に雄大で北海道らしい風景を醸し出している。 又、「豊かな大地」北海道を体感する絶好のルートでもある。 
カラマツの保安林で区切られた色とりどりの畑が左右に広がる中を、前方に見え隠れする斜里岳やオホーツク海に向かって一直線に進む。 時に現れる大きなカーブやアップダウンが、角度を変えて景色を更に新鮮に見せてくれる。手前に斜里岳(1545m)、遠くに海別岳(1419m)の勇姿が美しい。
阿寒の山々と知床連山の中間に聳える「斜里岳」は独立峰で、山容は知床富士の如く端正にして名峰である。 日本百名山の一つでもあり、登山も盛んな山であろう・・。
その麓に広がるのは一面ジャガイモ畑であり、畑が所々に小山を造っている。 よく見ると収穫しばかりのジャガイモの山である・・。 時折ダンプカーがすれ違う、積荷を見るとこれまたジャガイモである・・、今収穫の真盛りらしい・・。 すれ違うトラックや農耕機械もスケールが大きく、荷台から落ちたジャガイモが道の真ん中に転がっていたりして、気分を盛り上げてくれるのである・・。
いつの間にか国道は244から334に変わっていた。 
「知床国道」と言われる道で、いよいよ「知床半島」へと走ることになる。 海岸の際を走るようになって、斜里町の広大な平野、そしてジャガイモ畑がだんだん狭くなって、ついに山岳地帯に入っていく、 知床の山肌が迫ってきたのである。


国道のすぐ横を、豪快に落ちる「オシンコシンの滝」(知床八景)


しばらくすると知床の名所の一つの「オシンコシンの滝」に来た。
国道からいきなり豪快な滝が流れ落ちている様を見れるのはココぐらいだろう、海岸国道が出来る以前はヒョットすると、この巨大な滝は二段三段構えでいきなり、このオホーツクの海に落ち込んでいたのかも知れない・・・、 こんなことを想像するのも面白い。 
滝の上には旧道が通っており、そこから眺めるとオホーツク海を背景に一段とスケールの大きい姿が見れるらしい。この滝は高さ50mあまり、二筋に分かれて落ちる様子から「双美の滝」とも呼ばれるそうである。
滝を見物しながら一息入れて、いよいよ「知床」の懐へと出発である・・。

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世界遺産・知床(5) 「ウトロ温泉」

一走りで「ウトロ」へ着いた・・、
北海道の東海岸巡る国道を「オホーツクライン」又は「流氷ライン」ともいい、国道238号の宗谷岬から国道244号、そして、ここ知床の玄関口であるウトロの国道334号で終わっている。 総延長は、延々430kmであった。
ウトロの港付近は奇岩怪石が多い、巨大な岩が海から突き出ている・・、オホーツクラインとしてははじめて見る光景である、やはり、知床連山が背後に迫る山地特有の海岸風景である。 
ウトロ温泉は、知床観光船乗り場があり、温泉街が広がる。 
昨年秋、カミさんと訪れた時、この港から半島の西側を船で遊覧した、この時の印象は海岸線は殆どが断崖絶壁で、未だ人を寄せ付けないところ・・と見聞したが、この荒々しい岸壁は流氷の成せる技で、流氷のもすごい圧力で岩肌を削りとったとされている。

ウトロは温泉場である・・、 
近年、ボーリングによって湧出した新しい温泉街であり、知床岬めぐりの遊覧船が着く港付近と、オホーツク海の眺めを望む高台に設備の整った大小さまざまな宿が点在する。 あの時は、たしか高台でウトロ港が一望できる「知床第一ホテル」に泊まった記憶が甦った・・。泉質は塩化物泉で切り傷、やけど、慢性皮膚病、神経痛などに良いとされ、温泉宿は港付近と景色の良い丘の上にある。 オホーツクに沈む夕日を眺めながら温泉は素晴らしいとか・・、日帰り入浴できる宿は、知床第一ホテル、知床夕陽のあたる家などが有るようです。
知床が「世界遺産」に登録されたことで更に観光収益が期待されているが、同時に観光客の増加による環境破壊も懸念されているという現状がある・・。

泉 質 ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉
所 見 無色透明・無味・無臭
効 能 リュウマチ、神経痛、関節痛 など
問合せ 斜里町商工観光課 TEL(01522−3-3131)
     知床斜里町観光協会 TEL (01522−2-2125)


ところで今、ウトロの温泉街で厄介な問題が生じているという・・、
特に近年、エゾシカの集落進出が著しく、シカが温泉街を歩く姿をよく見ることがあり、TVや新聞でもニュースに取り上げられるほどである。 エゾシカによって農産物や家庭の観葉植物が食い荒らされる被害も出ているらしく、糞や尿の垂れ流しによる害、シカの道路飛び出しによる交通事故も懸念材料であるという。 銃器による駆除は、集落に接近しすぎている上、知床半島から流れ込む無数のシカには無力として断念、抜本的対策として、集落全てをフェンスで囲むことを2006年に決定したという。 フェンスは高さ3m、距離は3.6kmもあり、対策費用は3600万円で、2006年9月に建設を開始して12月に完成する見込みだという。

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世界遺産・知床(6) 「知床五胡」


知床五湖の内の「一湖」


ウトロ温泉を抜けると次第に山中へ入り込むようで、高台から眺めるウトロの温泉街や港の風景が一服の絵のように輝いている。国道に沿った「知床自然センタ−」から左折すると、いよいよ知床の奥深い懐へ向かっていることが実感する。知床自然センタ−は、ちょうど知床峠と知床五湖への分岐点に位置し、知床に関するインフォメーション基地でもある。 知床の自然を知るには先ずこちらを訪問するのも良いであろう・・。<ず、巨大なヒグマが玄関先で迎えてくれる。 
見どころは巨大映像による案内で、断崖絶壁を舞うオジロワシや羅臼岳山頂から知床岬突端までの空撮、流氷の訪れなど四季すべての美しさをダイナミックに映し出される。又、知床五湖やフレペの滝などのネイチャーウオッチング、夜の動物ウオッチング、オジロワシ・オオワシ観察会などの四季の催しや自然体験なども実施しているようである。
岩尾別の渓流を眼下に見ながら、先ず名所である「知床五湖」へ立寄った。大駐車場へ車を置いて早速歩を進める、「望岳台」より眺める知床の大景観は素晴らしい。 特に夕刻迫る知床連山は一服の絵である。 ほぼ正面に知床の最高峰・羅臼岳(1661m)を筆頭に、左へ山並みが連らなり硫黄岳(1563m)で切れている。 活火山・硫黄岳の山腹にカムイワッカの温泉が湧き出し落下しているのである。

徒歩で「五湖」へ向かう・・、
全ての湖に遊歩道が整備され連なっていて、五湖の其々の神秘的な自然の景観をできる。 先刻、上さんと(妻)と訪れた時はゆっくりと散策できたが・・、今回は時間的余裕が無くなってきたので、一湖、二湖のみの見物とした。湿性部分は木道が敷かれて徒歩に良い、一湖、二湖とも、湖面は鏡面状態で周りの樹林や知床の連峰を写しながら静寂している、その姿はまさに原始の中の楽園にふさわしい。この五湖は、いずれも流れ込む川も流れ出す川も無く、水は湖底から湧きだし、湖底の岩を伝わって知床半島の西側断崖に浸みだしオホーツク海に流出しているという・・。 凡そ30分の所要時間であった。
知床五湖は、湖(秘湖、沼)の観光地として五湖とあるが、湿地帯にあるため融雪期には数が増えるという。

五湖はヒグマに注意・・!!、
周辺では一湖を見下ろす展望台や湖を巡る遊歩道が整備されて、知床連山や原生林を水面に映す素晴らしく、遊歩道ではエゾリスやエゾシカなどが観察される一方、特にヒグマが目撃されることもあり注意を要する。 ヒグマの出没状況によっては、五湖のうち二湖までしか回れなくなる年、時もあるので、周辺観光地での情報収集が必要だという。
五湖は、そもそもは無名の「沼」であったが、1980年代から1990年代にかけて、地元の営林署の職員などが積極的な歩道の整備に乗り出したことから、核となる観光地がなかった知床半島の名所として、たちまち脚光を浴びることとなった。

知床半島は 「日本最後の秘境」言われ元々、蝦夷・北海道の中でもヒグマが多数生息することで知られていた。 従って当然、五湖近辺もヒグマの生息地の中にあるため、遊歩道を設置したとはいえ、付近ではヒグマが頻繁に出没するのは必定であり、ヒグマが遊歩道に現れた際には安全が確認されるまでの期間は立ち入りが禁止となる。
最近では遊歩道に出没したヒグマに観光客が寄っていってフラッシュを浴びせる事件(襲撃されても不思議ではない行為)も発生しているという。


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八ヶ岳(1966年)
南ア・北岳(1969年)
北ア・槍−穂高(1968年)
谷川岳(1967年)
丹沢山(1969年)
西丹沢・大室山(1969年)
八ヶ岳越年登山(1969年)
西丹沢・檜洞丸(1970年)
丹沢、山迷記(1970年)
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