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「広く旅をし、方々を遍歴したものだけが、知識という名の富を有している。」 (詩の神・オーディン) 主題はブログにリンクします 世界遺産・平泉(14) 「構成資産:中尊寺」 . 中尊寺本堂 中尊寺金色堂 金色堂;内陣仏像( http://homepage3.nifty.com/btocjun/index.htm より) 初代当主・藤原清衡が平泉にて中尊寺の中興 (事実上の創建) に着手したのは長治2年 (1105年)の頃で、50歳の時であった。 「後三年の役」という戦乱を制し、奥州(東北)の支配者となった藤原清衡が、戦乱が無いように、そして高い文化がこの地に根付くようにと願い創建された。 当時の堂宇伽藍は、「寺塔四十余宇、禅坊三百余宇」(吾妻鏡)と記録が残っていて、現在より遥かに壮大な規模の寺院であったという。 この時建てられた堂宇は「最初院」または「多宝寺」と称され、「法華経」に登場する多宝如来と釈迦如来を本尊とするものであったとされている。 ただ、その建築形式等の詳細は不明であるとされている。 本堂の中には、天台宗の総本山である比叡山延暦寺から、分火されたという「不滅の法灯」が灯っている。 有名な金色堂の上棟の棟木銘から天治元年 (1124年) と判明されていて、この堂宇は清衡が自身の廟堂(びょうどう;霊廟、御殿、或るいわ天下の大政をつかさどる所)として建立したもので、内部の須弥壇内(しゅみだん;仏教寺院において本尊を安置する場所)には清衡と子の基衡、孫の秀衡の三代の遺体 (ミイラ) が安置されている。 尚、血筋の明らかな親子四代の遺体の存在は、世界にも例がないという。 「金色堂」は、中尊寺山内のやや西寄りに東を正面として建ち、方三間(正面、側面共に柱間が3間)、平面の1辺が5.5メートルの小型の仏堂である。 堂全体は、1965年建設の鉄筋コンクリート造の覆堂(おおいどう、さやどう)内にあり、ガラスケースに納められて外気と遮断されている。 内部には4本の柱(入側柱)が立ち、その内側が内陣、外側を外陣とにわかれ、典型的な阿弥陀堂建築とされる。 金色堂の名のとおり、堂は内外共に総金箔貼りで、扉、壁、軒から縁や床面に至るまで漆塗りの上に金箔を貼って仕上げられている。 様式は、京都宇治の平等院鳳凰堂と共に平安時代の浄土教建築の代表例とされ、当代の技術を集めたものとして「国宝」に指定されている。 源義経が平泉に自害(頼朝の指令で、4代泰衡が謀殺)し、奥州藤原氏が滅亡して5世紀も過ぎた江戸初期、松尾芭蕉は随員の曽良と二人で「奥の細道」の旅に出る。 芭蕉46才、曽良41才の春であった。 江戸を発ってから一ヶ月半ば過ぎ、平泉を訪れた芭蕉は、先ず、義経公の居住地がある高 館を訪れる。 丘陵に立った芭蕉は、悠々と横たわる北上川と合流する衣川を見下ろし、そこには往時の栄華はなく、旧跡は田畑や原野となって広がっている状態に世の儚さをを知る。 そして、芭蕉は思わず・・、 『 夏草や 兵(つわもの)どもが 夢の跡 』 と、口に漏らす。 続いて中尊寺を訪れた芭蕉は、かねてより伝え聞いていた金色堂に参詣する。 鎌倉北条氏によって建てられたといわれる本堂の中で、朽ち果てようとしていた金色堂に目が留まり・・、 『 五月雨 降残してや 光堂 』 と、一句詠っている。 金色堂を光堂と称したのは芭蕉ならではで、淡く残る黄金色を光に例え、光は「光陰矢の如し」と喩えられるように、時間の早さと歴史の盛衰を観たのであろう。 更に、芭蕉の眼差しは、史上戦乱の中に散っていった人々と浄土仏との間に介在する光を感じたのであろう。 【リンク】 ※ 中尊寺ホームページ http://www.chusonji.or.jp/ ※ ドナルド・キーン氏と金色堂 http://www.st.rim.or.jp/~success/Dkean_ye.html ※ みちのく古寺巡礼 四寺廻廊 http://shijikairou.com/ 【問合せ】 〒029-4102 岩手県西磐井郡平泉町平泉衣関202 電話:0191-46-2211 FAX:0191-46-2216 平泉観光協会 http://hiraizumi.or.jp/heritage/index.html 【交通】 JR平泉駅→中尊寺月見坂入口まで 1.6km(徒歩25分)【拝観所要時間:約2時間 岩手県交通(株)一関営業所/電話:0191-23-4250 バス時刻表:国道南線(一関営業所〜ジャスコ前沢店) 次回、「毛越寺」
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